第18回 「風が吹くと桶屋が儲かる」について
SDGsの説明に用いられることがある「風が吹くと桶屋が儲かる」その訳は、
・風が吹いて砂ぼこりが立つ
・砂ぼこりが目に入り、目の病にかかる人や目が見えなくなる人が増える
・江戸時代、目が見えない人は三味線を弾く職業が多かったので三味線が売れる
・三味線の材料の猫の皮が必要になり、猫が捕獲される
・猫が捕獲され減るとねずみが増える
・ねずみが増えるとかじられる桶が増える
・桶の修繕や買い換え需要が増して桶屋が儲かる
だそうです。つまり、世の中の事象にはつながりがあるので、何事も自分ごととして考え、行動することが求めら
れるということです。
前回の便りで紹介した斎藤幸平氏著書『人新世の「資本論」』に概ね次のような記述があり、SDGsを説明する際
の「風が吹けば・・・」を思い出しました。
『多くの飢餓で苦しむ貧困層が、人間が生きるために必要とする食料収穫物の生産をする。それを事業主(資本
家)が先進国に輸出する。先進国の食卓を彩るための高価な輸出品が優先して生産される。農民が生きていくため
に必要な低廉な食料は生産されない。
種子や肥料、農薬をめぐる権利や情報が独占されており、農家の負担は大きい。商品としての経済価値のために生
産され、使用価値がないがしろにされる資本主義の矛盾が、過酷な形で表れている。
(南アフリカの例として)気候変動による水不足が繰り返し起きており、干ばつのリスクが飛躍的に高まり、食料
価値の高騰は人々の暮らしを直撃するだろう。』です。
アンダーラインをした箇所や全体の文意をSDGsの17の目標に単純に該当させると。
①貧困 ②飢餓 ⑥水・衛生 ⑧働きがい・経済成長 ⑨産業と技術革新 ⑩不平等 ⑪住み続けられるまち
⑫生産・消費責任 ⑬気候変動 ⑮陸上資源 ⑯平和と構成 ⑰パートナーシップ
の12項目の問題があります。
資本主義社会のあり方を変える必要があるように思えてきました。
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今までの 理事長便り一覧
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・理事長便り(第7回) CO2排出実質ゼロ(脱炭素)社会実現に向けて
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・理事長便り(第9回) 市町村の地球温暖化対策事情(地球温暖化対策実行計画区域施策編)
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