2021/06/03(木)

理事長便り(第20回)

       企業の脱炭素経営の促進と動向及び新たな「環境主義者」について

 

 企業の脱炭素化が日本でも急速に進行していますが、そのことに関する記事(令和3年4月21日環境新聞・令和3

年5月16日熊本日日新聞記事)が掲載されていましたので、内容を抜粋、整理するなどしてご紹介します。また、

新たな環境主義者の例についてもご紹介します。

 

令和3年4月21日環境新聞

脱炭素経営の促進

 温対法改正における企業の脱炭素経営の促進について質問された小泉進次郎環境大臣は、企業の温室効果化ガス

排出量の報告制度についてデジタル化を進め、公表までの期間を1年未満にすることやオープンデータ化して自主

的な取組みをさらに促進すると説明した。

 また、特に中小企業については近年、サプライチェーン全体での脱炭素化が進む中で、再エネ100%でないと

排除され、高い技術や商品力を持っていたとしても、ビジネスチャンスを失ってしまう可能性すら出て生きたこ

と、中小企業向けガイドブックの提供や、商工会議所との連携を進めていることを説明した。

 

令和3年5月16日熊本日日新聞記事

企業に求められる気候変動影響の開示

 G7が各国の主要企業に対して、気候変動の経営への影響を開示するよう求めている。気温の上昇や自然災害、

脱炭税の導入といった環境規制強化がもたらす収益へのインパクトを企業自らに分析させて、ESG(環境、社

会、企業統治)への対応を促すもの。投資家らの巨額な資金を環境重視の流れに変え、金融面で脱炭素化を進める

狙いもある。

 6月のG7サミットで義務化を明記する方向で調整しており、日本では東京証券取引所の主な上場企業2千社程度

に開示を要請する見込み。開示内容は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿う形を想

定。

 英国は既に2025年までに非上場大企業も含め開示を義務化する方針で、EUも今年4月に義務付け案を公

表、米国は3月に証券取引委員会が開示ルールの是非を問う意見募集を始めた。

 日本では、6月に東証が企業統治の指針「コーポレートガバナンス・コード」を改定して、気候変動に関する開

示を新たに求める見込み。法的拘束力はないが、金融庁と共に開示しない場合はその理由の説明を求めることか

ら、事実上の義務と位置付けられる。

 国内ではこれまで数百社がTCFDの提言に基づき自主的に開示しているが、2千社に対象が広がる。政府は対

象外の中小企業にも開示を呼びかける。

 

企業の脱炭素加速

 村田製作所や三菱地所のRE100への加盟が紹介され、環境への取組みが「商品の価値」の一つになってきた

ことや、RE100に加盟する企業から、東京で事務所を探す際の条件として再エネ100%を求められること

もあるとしている。

 ESGを意識した経営に力を入れ、評価機関のチェックを受けることは、株価の安定だけではなく、脱炭素化、

プラスチックごみの削減といった取り組みが、世の中からずれていない証明にもなる。と取材に応じた担当者の言

葉を紹介している。

 

環境への無関心層が新たな「環境主義者」へ

 環境活動を進める中で感じることの一つに、無関心層へのアプローチの難しさがあるが、環境性能の高さはさて

おき、長い航続距離や強いけん引力といった売り文句などで、電動SUVやEVの普及が進んでいる例が紹介され

ていた。

 石油、ガス会社を経営する人が、地球温暖化はよく分からないがGM社製1000馬力の新型電動ピックアップ

トラック「ハマーEV」を注文予約したとのこと。

 従来のEVが気候変動に関心の高い人向けに販売されていたのに対して、1960年代の大排気量「マッスルカ

ー」で育った人々が、思いがけず環境保護主義者「偶発的環境保護主義者」になる可能性があるとしている。

 また、ある経営学者は、人は5つの基準で物を買うとして、品質、費用、健康に役立つか、ステータス向上、感

情的な結びつきを上げ、それに関連して犠牲を伴わない場合のみグリーンな選択をする人々を「都合のよい環境

主義者」と呼ぶ。としている。

 「偶発的環境保護主義者」や「都合のよい環境主義者」でも構わないので、増やしたいと思った。そして、私も

これらに該当することがあるかもしれないとも思った。

 

                                           令和3年5月17日

 

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 今までの 理事長便り一覧

 ・理事長より(第1回)

 ・2020年度当初所感(第2回)

 ・理事長便り(第3回)   温暖化・プラスチック・感染症問題の共通点

 ・理事長便り(第4回)   プラスチック問題を考える

 ・理事長便り(第5回;緊急)豪雨被害お見舞いと地球温暖化適応策

 ・理事長便り(第6回)   CO2排出実質ゼロ(脱炭素)社会実現に向けてエネルギーイノベーションへの期待

 ・理事長便り(第7回)   CO2排出実質ゼロ(脱炭素)社会実現に向けて

 ・理事長便り(第8回)   市町村の地球温暖化対策事情(地球温暖化対策実行計画事務事業編)

 ・理事長便り(第9回)   市町村の地球温暖化対策事情(地球温暖化対策実行計画区域施策編) 

 ・理事長便り(第10回)   日本の地球温暖化対策について

 ・理事長便り(第11回)   昔の生活・社会とこれから(脱炭素生活)

 ・理事長便り(第12回)   脱炭素社会構築に向けて

 ・理事長便り(第13回)   地球温暖化による気候危機と災害への備え

 ・理事長便り(第14回)   令和2年度環境白書「気候変動時代における私たちの役割」のご紹介

 ・理事長便り(第15回)   SDGs、ESDについて(Ⅰ)

 ・理事長便り(第16回)   SDGs、ESDについて(Ⅱ)

 ・理事長便り(第17回)   人新世と言われる時代 SDGsに覚える自分自身の空虚感を埋める作業

 ・理事長便り(第18回)   「風が吹くと桶屋が儲かる」について

 理事長便り(第19回)   「気候正義(climate justice)」という言葉について

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