2020/09/17(木)

理事長便り(第9回)

     第9回 市町村の地球温暖化対策事情(地球温暖化対策実行計画区域施策編)

 

 日本の地球温暖化対策は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」によって推進されていますが、前回は全ての地方自治体など

に義務としている地方公共団体実行計画事務事業編について述べました。今回は、都道府県、政令指定都市、中核市において義

務としており、その他の市町村には努力義務としている実行計画区域施策編について述べます。

区域施策は、地域のリーダーであり、市町村の行政をつかさどる役所が、市民に向けて、地球温暖化対策を呼び掛けるための計

画です。策定されている市町村に住まう市民や所在する事業所では、この計画に示されたことを実施いただきたいものです。

しかし、周知が困難で、なかなか浸透しないのが現実です。実際、この計画のことをご存じない方も多いのではないでしょう

か。

また、この計画では、対象区域(区域内全ての事業所や家庭)のCO2排出量を計算し、それを基に削減目標を設定し、目標達成

に向けて取り組み、結果を把握、公表して、必要な対策を講ずるように定められています。しかし、市町村単位で区域の削減目

標を設定することは、必要なことなのでしょうか。

国は国内全体のCO2排出量を計算します。都道府県も同様の計算をしますが、結果の整合性はありません。

これとは別に市町村が、区域内の電気使用量や化石燃料使用量などから積上げ計算して排出量を求めることの意味は大きいとは

言えません。国や県が算出した結果を基にした按分計算とは異なる計算結果が出るだけで、そこに費やす労力や時間は、相当な

ものになるからです。日々の業務に追われている市町村職員に、そのような余裕があるとは思えません。

目標設定のあり方は、施策ごとに期待するCO2削減量を算出し、実施した施策により削減結果を把握することや、それに費やし

た予算との関係から費用効率を判断するなどについては、大変に意味があることですが、市町村全体のCO2排出量の算出は、国

が策定マニュアルで示している「実績値が無くても可能な手法」である按分法で十分であり、市町村全体の排出削減量の目標設

定は、企業誘致などの地域振興政策や企業活動、人口や世帯数の動向にもよりますので、県単位の設定で十分と考える次第で

す。

 

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 今までの 理事長便り一覧

 ・理事長より(第1回)

 ・2020年度当初所感(第2回)

 ・理事長便り(第3回)   温暖化・プラスチック・感染症問題の共通点

 ・理事長便り(第4回)   プラスチック問題を考える

 ・理事長便り(第5回;緊急)豪雨被害お見舞いと地球温暖化適応策

 ・理事長便り(第6回)   CO2排出実質ゼロ(脱炭素)社会実現に向けてエネルギーイノベーションへの期待

 ・理事長便り(第7回)   CO2排出実質ゼロ(脱炭素)社会実現に向けて

 ・理事長便り(第8回)   市町村の地球温暖化対策事情(地球温暖化対策実行計画事務事業編)

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